先生の愛が激重すぎる件
「ちがいます。これは久保先輩の送別会です! 先生もいていいんです」
小春が参加できなかったのは残念だけど仕方がない。彼女も忙しいのだから。後で会う機会もあるだろう。
その代わりが相原先生というのが意外で、でも私の事情を知る数少ないひとの一人だ。
「先生。今日は来てくれてありがとうございます。すごく嬉しいです」
他人に興味なさそうなふりしてるけど、人一倍義理堅かったりするのかもしれない。
「……僕こそ、送別会に呼んでもらってありがとうございます」
「でしょう。私に感謝してよね、先生!」
あまりに得意げに里奈がいうので私は笑ってしまった。先生も笑っていた。野原さんも、里奈も。
あまりしんみりした会にはしたくないと私が言ったのでまるで職場の休憩時間の会話みたいになってしまったのだけれど、それがとても心地よくて嬉しかった。
料理は野菜がふんだんに使われた創作イタリアン。写真映えするだけじゃなくて味も申し分ないほど美味しい。
デザートを待つタイミングで私は化粧室に向かった。
化粧直しをして席に戻ろうと思ったその時--、半個室のテーブルから聞こえてきたその声に私は思わず足を止めた。
「ほのかさんの望み通りになってよかったね」
「そうね、ぜんぶ琉加のおかげ」
間違いない。中にいるのは鷹藤さんと佐藤和美。
私は混乱していた。どうして二人が……?
「あなたが正臣と同じマンションに住んでるっていうからお願いしてみたけど本当に別れるなんて驚きだわ。琉加、どんな手を使ったの?」
「僕はなにも。勝手に壊れたんですよ、明日美と荒木っていう医者」
「あら、そうかしら。私はあなたが別れさせたと思ってるけど」
佐藤和美のくすくすと笑う声が耳にこびりつく。手に汗がにじんで心臓がうるさいくらいに拍動している。
考えもしなかった。鷹藤さんと佐藤和美がつながっているなんて。
じゃあ、鷹藤さんは最初から私と先生を別れさせるために近づいたの?私を好きだといったのも嘘。私たちが別れたことを伝えたのも彼――!
知らなかった。気付けなかった。私は先生を疑って信じなかった。
「久保さん、どうしたんですか?」
背後から声をかけられて慌てて振り返った。
「あ、相原先生」
いつからそこにいたんだろう。全然気が付かなかった。
「……中にいる人たち、知り合いですか?」
小春が参加できなかったのは残念だけど仕方がない。彼女も忙しいのだから。後で会う機会もあるだろう。
その代わりが相原先生というのが意外で、でも私の事情を知る数少ないひとの一人だ。
「先生。今日は来てくれてありがとうございます。すごく嬉しいです」
他人に興味なさそうなふりしてるけど、人一倍義理堅かったりするのかもしれない。
「……僕こそ、送別会に呼んでもらってありがとうございます」
「でしょう。私に感謝してよね、先生!」
あまりに得意げに里奈がいうので私は笑ってしまった。先生も笑っていた。野原さんも、里奈も。
あまりしんみりした会にはしたくないと私が言ったのでまるで職場の休憩時間の会話みたいになってしまったのだけれど、それがとても心地よくて嬉しかった。
料理は野菜がふんだんに使われた創作イタリアン。写真映えするだけじゃなくて味も申し分ないほど美味しい。
デザートを待つタイミングで私は化粧室に向かった。
化粧直しをして席に戻ろうと思ったその時--、半個室のテーブルから聞こえてきたその声に私は思わず足を止めた。
「ほのかさんの望み通りになってよかったね」
「そうね、ぜんぶ琉加のおかげ」
間違いない。中にいるのは鷹藤さんと佐藤和美。
私は混乱していた。どうして二人が……?
「あなたが正臣と同じマンションに住んでるっていうからお願いしてみたけど本当に別れるなんて驚きだわ。琉加、どんな手を使ったの?」
「僕はなにも。勝手に壊れたんですよ、明日美と荒木っていう医者」
「あら、そうかしら。私はあなたが別れさせたと思ってるけど」
佐藤和美のくすくすと笑う声が耳にこびりつく。手に汗がにじんで心臓がうるさいくらいに拍動している。
考えもしなかった。鷹藤さんと佐藤和美がつながっているなんて。
じゃあ、鷹藤さんは最初から私と先生を別れさせるために近づいたの?私を好きだといったのも嘘。私たちが別れたことを伝えたのも彼――!
知らなかった。気付けなかった。私は先生を疑って信じなかった。
「久保さん、どうしたんですか?」
背後から声をかけられて慌てて振り返った。
「あ、相原先生」
いつからそこにいたんだろう。全然気が付かなかった。
「……中にいる人たち、知り合いですか?」