先生の愛が激重すぎる件
先生の表情は険しい。
彼女の声はよく響く。だから相原先生にも聞こえてしまったのだろう。
「ま、まさか! 違いますよ」
私は必死で否定した。それよりも私自身が彼らのつながりを否定したかったのだと思う。
「でもいま、久保さんと荒木先生の話をしてましたよね!? 別れさせたとかどういうことですか!!」
「お願いですから、声を……」
抑えてくれないと個室の中の二人にも聞こえてしまう。次の瞬間スマホが鳴った。
「電話、いいですか」そういって鷹藤さんが個室から出てくる。
そして私の姿を見て驚いたように持っていたスマホを床に落とした。
「明日美? どうしてここに?」
彼と目が合った瞬間。まるでそれを拒絶するかのように私の視界は突然の闇に覆われた。
気付くとベッドの上だった。視線を天井に移すと点滴のボトルが見える。
「……ここは……」
「姉のクリニックですよ」
「相原先生? ……私、どうしちゃったんですか? あ、赤ちゃんは?」
焦る私を安心させるように相原先生は言った。
「大丈夫ですよ。倒れたのは迷走神経反射だったようです。あと、軽度の貧血も……それと、野原さんと箱崎さんお二人もしばらく付き添ってくれていたんですが帰ってもらいました」
私が知りたいであろうことを端的に説明してくれる。
「そうでしたか。先生にもご迷惑おかけしてしまって申し訳ありません。お姉さんにも……」
「ぜんぜん。お腹の子供には問題ないみたいですし、目が醒めたら送って行けとの指示を受けました。まったく弟使いの荒い姉で困ります」
優しそうな先生だったけど、身内には態度が違うんだろうか……。
「久保さん、起きれそうですか?」
相原先生に言われてゆっくりと上半身を起こしてみる。けだるい感覚はあるものの特に異常はなさそうだ。
「はい。大丈夫そうです」
すると先生はホッとしたように表情を緩めた。
「じゃあ点滴の針抜きますよ」
点滴の針を抜がぬかれた。止血のため反対側の手で圧迫する。押さえたところがジワリと痛んでどうしようもなく不安な気持ちに襲われた。
「久保さん、どうしました? 泣くほど痛かったですか?」
「いえ、違うんです。痛いわけじゃないんですけど、ごめんなさい。自分でもどうして泣いてるのか分からない……」
戸惑う先生の顔が滲んでいく。
彼女の声はよく響く。だから相原先生にも聞こえてしまったのだろう。
「ま、まさか! 違いますよ」
私は必死で否定した。それよりも私自身が彼らのつながりを否定したかったのだと思う。
「でもいま、久保さんと荒木先生の話をしてましたよね!? 別れさせたとかどういうことですか!!」
「お願いですから、声を……」
抑えてくれないと個室の中の二人にも聞こえてしまう。次の瞬間スマホが鳴った。
「電話、いいですか」そういって鷹藤さんが個室から出てくる。
そして私の姿を見て驚いたように持っていたスマホを床に落とした。
「明日美? どうしてここに?」
彼と目が合った瞬間。まるでそれを拒絶するかのように私の視界は突然の闇に覆われた。
気付くとベッドの上だった。視線を天井に移すと点滴のボトルが見える。
「……ここは……」
「姉のクリニックですよ」
「相原先生? ……私、どうしちゃったんですか? あ、赤ちゃんは?」
焦る私を安心させるように相原先生は言った。
「大丈夫ですよ。倒れたのは迷走神経反射だったようです。あと、軽度の貧血も……それと、野原さんと箱崎さんお二人もしばらく付き添ってくれていたんですが帰ってもらいました」
私が知りたいであろうことを端的に説明してくれる。
「そうでしたか。先生にもご迷惑おかけしてしまって申し訳ありません。お姉さんにも……」
「ぜんぜん。お腹の子供には問題ないみたいですし、目が醒めたら送って行けとの指示を受けました。まったく弟使いの荒い姉で困ります」
優しそうな先生だったけど、身内には態度が違うんだろうか……。
「久保さん、起きれそうですか?」
相原先生に言われてゆっくりと上半身を起こしてみる。けだるい感覚はあるものの特に異常はなさそうだ。
「はい。大丈夫そうです」
すると先生はホッとしたように表情を緩めた。
「じゃあ点滴の針抜きますよ」
点滴の針を抜がぬかれた。止血のため反対側の手で圧迫する。押さえたところがジワリと痛んでどうしようもなく不安な気持ちに襲われた。
「久保さん、どうしました? 泣くほど痛かったですか?」
「いえ、違うんです。痛いわけじゃないんですけど、ごめんなさい。自分でもどうして泣いてるのか分からない……」
戸惑う先生の顔が滲んでいく。