先生の愛が激重すぎる件
出ていこうと思えば、今の時代行き先なんていくらでもある。素泊まりのホテルア安価だし、そういうところに身を置いて、アパートを探せばいい。
先生とは仲良くやっていきたいが、もしものことを考えておくのは大切だ。
「もちろんどうぞ。そもそもそんなことさせないから大丈夫」
「本当に?」
「ああ、本当さ。この俺が“極上の女”を手放すわけないだろ?」
言った側から笑いそうになっていて、思わずムッとする。
「そうやって笑いのネタにしないでくれます?」
「そうやって怒らないでくれます? かわいい顔が台無しだよ」
「もう。からかわないでください! ……私、お皿洗ってきます」
先生の腕を振り払おうとした。けれど力を込められ逃げ場を失った。
「怒らない怒らない。それは後で俺がするよ。少しソファーでゆっくりしよう」
私が頷くと先生は私の手を引いてリビングのソファーに座らせる。
「明日美、何かのむ?」
「先生は?」
「俺はコーヒかな」
先生は家ではあまりお酒を飲まない。食事の時は私に付き合って飲むこともあるけれど、だらだらと飲み続けたりはしないようだ。
「じゃあ、私も同じので」
「オーケー」
先生はキッチンに置いてあるコーヒーマシーンで二杯分淹れて来てくれる。
「ほい。熱いから気を付けろよ」
「ありがとうございます」
湯気の立つカップをそろりと受け取る。先生は私のすぐ隣に腰を下ろした。
「いただきます」
ひと口くちに含む。食後にピッタリなすっきりとした苦みを感じる。たくさん飲むと眠れなくなりそうだなと思いながらもうひと口飲んだ。
「おいしいです。ありがとうございます、先生」
誰かが淹れてくれたコーヒがこんなにおいしいものだなんて知らなかった。仕事から帰って寝るまでの時間を誰かと一緒に過ごすのも楽しい。
正直言うと賑やかな感じの荒木先生と暮らすことに不安があったけれど、さすがに家では静かだった。
「……そりやそうか」
「なにが?」
「先生って家では静かなんですね」
「当たり前だろ。家でも声張り上げてたらあほだぞ」
声が大きい自覚があるのは意外だった。吹き出しそうになるのをこらえるのに必死だ。
「それより明日美? いい加減その敬語辞めろよ。あとその先生っていうのも。ずっと仕事してるみたいだと思わねえ?」
先生とは仲良くやっていきたいが、もしものことを考えておくのは大切だ。
「もちろんどうぞ。そもそもそんなことさせないから大丈夫」
「本当に?」
「ああ、本当さ。この俺が“極上の女”を手放すわけないだろ?」
言った側から笑いそうになっていて、思わずムッとする。
「そうやって笑いのネタにしないでくれます?」
「そうやって怒らないでくれます? かわいい顔が台無しだよ」
「もう。からかわないでください! ……私、お皿洗ってきます」
先生の腕を振り払おうとした。けれど力を込められ逃げ場を失った。
「怒らない怒らない。それは後で俺がするよ。少しソファーでゆっくりしよう」
私が頷くと先生は私の手を引いてリビングのソファーに座らせる。
「明日美、何かのむ?」
「先生は?」
「俺はコーヒかな」
先生は家ではあまりお酒を飲まない。食事の時は私に付き合って飲むこともあるけれど、だらだらと飲み続けたりはしないようだ。
「じゃあ、私も同じので」
「オーケー」
先生はキッチンに置いてあるコーヒーマシーンで二杯分淹れて来てくれる。
「ほい。熱いから気を付けろよ」
「ありがとうございます」
湯気の立つカップをそろりと受け取る。先生は私のすぐ隣に腰を下ろした。
「いただきます」
ひと口くちに含む。食後にピッタリなすっきりとした苦みを感じる。たくさん飲むと眠れなくなりそうだなと思いながらもうひと口飲んだ。
「おいしいです。ありがとうございます、先生」
誰かが淹れてくれたコーヒがこんなにおいしいものだなんて知らなかった。仕事から帰って寝るまでの時間を誰かと一緒に過ごすのも楽しい。
正直言うと賑やかな感じの荒木先生と暮らすことに不安があったけれど、さすがに家では静かだった。
「……そりやそうか」
「なにが?」
「先生って家では静かなんですね」
「当たり前だろ。家でも声張り上げてたらあほだぞ」
声が大きい自覚があるのは意外だった。吹き出しそうになるのをこらえるのに必死だ。
「それより明日美? いい加減その敬語辞めろよ。あとその先生っていうのも。ずっと仕事してるみたいだと思わねえ?」