先生の愛が激重すぎる件
始めは驚いていた小春も荒木先生と付き合うことになった経緯を話すと「応援するよ」と言ってくれた。

 人気のパンケーキ店でおいしいランチを食べながら恋バナに花が咲く。

「でもさ、明日美のこと可愛くて仕方がないって感じだね。何でも買ってあげたくなっちゃうなんてさー愛されてるね」

「愛されてるのかな?」

 自分が愛されているかどうか、核心は持てずにいるけれど先生が私にちゃんと向き合おうとしてくれているのはよくわかる。

今日着てきた服はこの間先生に買ってもらったもので、朝それを見た先生はとてもうれしそうだった。

「愛されてるでしょ! 荒木先生って意外と一途なんだね」

「意外と?」

 聞き返すと小春はバツが悪そうに口を手で覆った。

「あ、ごめん。今までのイメージがあるから……」

 そう思われるのは仕方のないことだ。院内でも先生が合コン好きの女たらしという噂が響きわたっているし。

「……まあ、私もそう思ってたんだけど実際は違ってた。真面目だし一途だし、優しいし、私にはもったいないくらいいい彼氏だよ」

「はいはい。ごちそうさま。明日美の結婚式には呼んでよね~」

「結婚!?」

 私は飲んでいたアイスティーを吹き出しそうになった。

「それはまだ早いよ~それより、小春はどうなの? 付き合っている人いたよね」

 小春の彼は年上の自営業だったはずだ。最近お互いすれ違いでそんな話もしなくなってしまったけれど。

「……うん。別れちゃった……」

 少し困ったように小春は言った。

「ええ、そうなの? 知らなかった」

「ううん、全然」

「……のろけ話なんてしてごめんね」

 しかも今日見る予定の映画はラブストーリーなのだけれど、小春はへいきなのだろうか。失恋の傷をえぐるようなことにならなければいいけど……。

「本当に気にしないで! もう落ち込んだりしてないから。そんなことよりも、今日は明日美とのデート楽しみたいの。だから元彼の話はもう、無しね」

 私に気を遣ってくれているのだろう。健気な小春に胸がキュンとする。

「そうだね。小春とのデート久しぶりだもんね。そろそろ店出ようか?」

 私たちはパンケーキ店を出ると歩いて数分の所にある映画館へと向かった。

ポップコーンとドリンクを買い、カップルシートに座る。

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