先生の愛が激重すぎる件
「えーなになに?」

「お土産だよ~イチゴのお菓子と、牧場で買ったチーズケーキ。あとこれがおせんべい
有名かどうかはわかんないけど……」

「わあ、こんなにいっぱい」

 買いすぎたかもしれないと思ったが、外科病棟のスタッフみんなで食べるにはちょうどいいだろう。

「あそうか! 旅行いったんだよね」

「それとこれは小春に。東照宮で買ったお守り」

 私は白い紙の袋に入った鈴のお守りを小春に渡す。

「うれしい!ありがとう。それで、旅行どうだった?」

「楽しかったよ。野原さんとの女子旅」

 私がそういうと、小春はきょとんとした顔で首をかしげる。

「どうして野原さんと? 私はてっきり荒木先生と一緒だと思ってた。二人同時に休んでたし」

「……え?」

 小春の言葉に我が耳を疑った。

「先生も休んでたの? だって仕事で来れないって……病院にいたんじゃなかったの……」

「病院にはいなかったよ、え? ……あ」

 小春は何かを察したように口元を抑える。

「やだごめん、多分余計なこと言っちゃったよね……」

 途端に昼間のワイドショーの映像がよみがえる。

ほのかが番組をドタキャンしたのは“先日”と言っていた。これは調べればすぐわかることだ。

考えたくないけれど、先生は椎名ほのかの所へ行っていたのかもしれない。

「明日美? ……あの、大丈夫?」

 ハッと我に返る。不安そうな顔をした小春が私を見つめていた。

「うん、大丈夫! なんでもない」

 小春を安心させるために笑顔を作る。けれど心の中は穏やかではいられない。私はすぐにスマホで椎名ほのかを検索する。

出演ドタキャンの話題はすぐに見つかった。案の定、例の番組の収録は旅行の当日だった。

……やっぱりだ。思い返せば野原さんもおかしなことを言っていた。

先生は旅行の前の日の夜、病院からいなくなっていると。

椎名ほのかに呼び出された――そうとしか考えられない。

私はおもむろに立ち上がった。

「明日美?」

「トイレ行ってくる」

 そう言ってスタッフルームを出る。ナースステーションを覗くとパソコンに向かう荒木先生を見つけた。

「お疲れ様です」

 そう声をかけると先生は「おー」と普段通りの反応を見せる。

「あの、少しいいですか?」

「おお、なんだ?」

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