君と過ごした世界は、どうしようもなく暖かい
その日は最悪だった。

暖は休み、そしてなぜかチカもその日は学校を休んでいた。

チカが休むことなんて珍しくて私のせいだったら、と不安に駆られてしまう。

そもそもチカが暖を好きかどうか分からない。
でも、あんな人が隣の席だったら……。

そう思うと私はやっぱりチカは暖を好きだったんじゃないかと思ってしまう。

佳奈は私が笑っていたことに気味悪がっているのかその日は朝以降話しかけてこなくなった。

けれど周りからの視線はいつもよりきつかった。

最近はチカが絡んでこなかったのもあり私は目立たず、ひっそりと教室を過ごしていたが今日は朝から佳奈と言い合いのようになっていたんだから。

そりゃあ皆気になるだろう。でも別に私が何かアクションを起こすわけでもないし何も面白いことなんておきない。

その日は何もせず、何も考えないように、魂が抜けたかのようにただ脱力したように過ごしていた。

私は帰りの挨拶をすませたあとすぐに教室をでた。居心地の悪いあの場所にはいたくなかった。

きっと私がいなくなってから佳奈やほかの人たちで私の悪口を言っているのだろう。

でもそんなことはもういい。
とにかくあそこから逃げたかったのだ。

私は明日から、どうすればいいだろうか。
暖と帰っていたところを見られた。そんな些細なこと、たった一つのことでこんなにも変わってしまうなんて。

きっとこれは報いなのかもしれない。

調子にのっていた私に対しての、報い。
ばかじゃないのって、身の程知らずだよって神様がいってるのかな。
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