サイコな機長の偏愛生活(加筆修正中)

帰宅しても、室内は暗いまま。
彩葉はまだ帰って来てないようだ。

ネクタイを緩めながら寝室へと向かう。
何とも言えない憤懣をどこかにぶつけて消化したい気持ちに駆られる。

単なる仕事の量が多くて苛つくのとは違い、自分に原因となるものが一つも無いのに追い詰められる状況が……。

完璧に仕事をこなしたいのに、あの女のせいで、今日は殆ど仕事を処理出来ず。
挙句の果てには恋人に精神的苦痛を与えてしまったかと思うと、行き場のない感情が襲い掛かって来る。

大人気だか何だか知らないが、この俺を相手に選んだことを死ぬほど後悔させてやる。

シャワーを浴びて、リビングのソファーに腰を下ろし、日中に酒井が調べた情報を把握すべく読み漁った。



午前五時過ぎ。
室内を暖房機器で暖めているのに、足下がスーッと感じるくらい冷え込んでいる。

彩葉はまだ帰宅してない。
この時間だと、そのまま仮眠室で休んで仕事をしそうだ。

スマホを見ると、いつの間にか彼女からメッセージが届いていた。

『今日は帰れそうにないです。追突玉突き事故で複数名搬送されて来て、容体が安定しない患者が複数名いるので』
『落ち着いたら連絡します。私のことは心配しなくて大丈夫ですからね』

准教授選の最終選考がかけられている時期だから、出来るだけ多くの結果を出したいのだろう。
沢山の疾病や怪我の論文が必要だと思うから……。


彼女のためにスマホで珈琲やサンドイッチ等の軽食の配達をオーダーする。
まともな食事も出来ないだろうと思って……。

「よし、二十人分くらいあれば日勤のスタッフ分くらいは足りるだろ。……走って来るか」

ソファーから腰を上げ、ジョギング用のウエアに着替えるために寝室へと向かった。

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