サイコな機長の偏愛生活(加筆修正中)

三つ目の映像は、元職場の第三ターミナル内の空港病院の入口だ。
固定カメラで収められているそれには、スーツ姿の彼が病院の中に入る姿が映し出されている。
画像の左下に当時の時間が記されていて、クリニックの終了時間間際だというのが分かる。

再び姿を現した彼は、入口脇の壁に凭れかかり、腕時計を確認した。
その後に出て来たのは、紛れもなく私だ。

入口ドアに施錠し、郁さんに話し掛けてるのが分かる。
私、あんな表情してたんだ。

郁さんと私は、手を繋ぐでもなく、腕を組むわけでもなく。
勿論、笑顔で見つめ合うわけでもなく、程よい距離感を保ちつつ固定カメラの範囲外に消えた

優しいメロディーが会場内に流れているのに、ワイプにおさまる彼に向けられるフラッシュは相変わらず。
それでも、顔色一つ変えずに雛壇に居座り続けている。

会場のどよめきがカメラから伝わって来る。
……郁さん。


四つ目の画像は、羽田空港ではなくなった。
煌びやかなショップが立ち並ぶ……市街地。
行き交う車のライトが眩しいと思うほどに、少し薄暗い画像だ。

「……えっ、……あっ!」
「彩葉ちゃん?」
「うそっ……」

切り替わった画像は、とあるショップの店内のもの。
世界的にも有名で、私は彼に連れて行かれなかったら、一生敷居を跨ぐことがなかったと思う、あの場所だ。

煌びやかな照明が当たる中、夜会巻きにセットされた綺麗な店員さんに誘導される、私と彼だ。

次々と試着を試して、最後の一つを嵌めた、その時。
彼の笑顔と私の戸惑うような嬉しい表情が映し出された。

「いいなぁ、……二人で指輪を選びに行ったんだねぇ」
「っ……」

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