サイコな機長の偏愛生活(加筆修正中)
帰宅途中にクリーニング屋さんに寄って、学会時に使用したスーツ二着を受け取る。
本来なら部長が行く予定であった学会。
このクリーニング代ですら、請求したいくらいだ。
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十九時少し前に帰宅し、一番最初にシャワーを浴びる。
仕事とプライベートのスイッチを切り替えるためだ。
郁さんから二十一時頃に帰宅すると連絡が入っていた。
シャワーを浴び終えた彩葉は、夕食準備に取り掛かる。
専業主婦なら一時間半もあれば、大抵のものが作れるだろうが、彩葉はまだ初心者。
ある程度の調理工程は料理教室で学んだが、元々好きではないため、どうも手際が悪い。
それでも大好きな恋人のために、栄養バランスを計算するのは得意だ。
脳内でバランスを考えながら、必要な材料を準備して―――。
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「出来たぁ~~」
わかめご飯、若鶏のしそドレ煮、鮭のオイマヨ炒め、厚揚げのきのこあんかけ、具だくさんの味噌汁。
四苦八苦しながら、何とか帰宅前に仕上がった、その時。
リビングのドアがカチャっと開いた。
「ただいま」
「お帰りなさいっ」
エプロン姿で駆け寄ると、フッと柔らかい笑みが彩葉に向けられた。
「いい匂い」
「今、作り終わった所です」
「お疲れ様」
「郁さんも」
ポンと彩葉の頭の上に財前の大きな手が乗せられた。
「シャワー浴びて来る」
「はぁ~い」
財前を寝室へと送り出し、彩葉は料理を盛るためにキッチンへと舞い戻った。
*
「旨そうだな」
ダイニングテーブルに着いた財前が思わず漏らした言葉。
彩葉の心に、何よりの栄養剤だ。