恋の魔法なんて必要ない!~厭世家な魔術師と国外逃亡した私の恋模様~
小さな家かと思っていたそれは、想像よりだいぶ大きかった。


意を決して扉を叩く。

待つ。


物音はしない。



...物音一つしない。




誰もいないとか?

いや、明かりはついているし...

きれいに整えられた前庭からして、人は住んでいる。



突然、音もなく扉が開いた。



男が、鋭い目で私を見下ろしていた。





その目を見て、私は思わず息を呑んだ。




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