恋の魔法なんて必要ない!~厭世家な魔術師と国外逃亡した私の恋模様~
「...悪いか」
「いや、あの...ごめんなさい あなたのことよく知っている訳じゃないけど、少なくとも、人を救いたいとか、そんな人では...ない気がする...わ」
「治療院を開くのには賛成か」
「...ちょっと時間をください。あまりにも急すぎるわ」
───と、重要なことに気がついた。
「でも私、医者の試験受けてません」
「そんなものは要らん」
「気づいていないようですが、私、ふつーうに違法入国してる身なんです」
「あぁ、それは......問題ない」
「は......?」