恋の魔法なんて必要ない!~厭世家な魔術師と国外逃亡した私の恋模様~
自室の木の椅子に座り頭を捻るけれど、どんなに唸っても答えは出てこない。
診療所?治療院?貧しい人々のため?
それに...外国籍、無免許、無申告。
いや、問題ないわけ、ないでしょ。
――まさか、人体実験とかするんじゃないの......?
あり得る。大いに有り得る。
薬草と本が1番のお友達なのに、どうして他人を救おうなどと思うのだろうか。
しかし、診療を行うというのは、夢にまで見たことである。
女は、医療に関わるものではない。
アヴィヌラ国では、そんな考え方が古くからあった。