恋の魔法なんて必要ない!~厭世家な魔術師と国外逃亡した私の恋模様~
「うーん、そっか...やっぱりチーズにしなきゃだめなの?」

「そのままでも飲めんことはないが、やはり臭うんでな。固めて発酵させたほうがいくらかマシなるんぞ」

「...そうですか」


代わりになるもの、何かあるかなあ、

胃液...固めるのに働くのは酸かなあ、それとも酵素か。

酸でだめだったら...酵素はお手上げだ。

代替品とか、酵素にはない。


起き上がった白髪交じりのおじさんに言ってみる。

「レモンとか酸っぱい果物、まだ残ってます?」

「レモン?砂糖漬けにする前の生のか?あぁ、あると思うが...」


怪訝そうな顔のおじさんに

「大事なミルクだからね、少ぅしだけ取ってレモンの果汁を垂らしてみて。上手くいくかもしれないから」


続けても、あまり腑に落ちていなさそう。


でも他に手はないから、「やってみるよ」と快く頷いてくれた。


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