極上タラシオトコの本気を引き出す方法
「そういえば、今日、先生なんかありました?
ちょっと元気なさそうに見える」
何とか冷静に戻った私は広瀬先生にそう切り出した。
「やっぱり莉子には隠し事出来ないな。
でもちょっと気づいて欲しかったのかも。」
なんて言って広瀬先生は小さく笑った。
「おととい、経過が結構長かった膵癌の患者さんが亡くなったんだ。
まだ、60代でもう少しでお孫さんが生まれるんだって楽しみにしてたんだけど、やっぱり難しくて、そのまま。
家族も本当に辛そうで、俺もすごいいい人だったからもっと出来ることがあったんじゃないかって。
医者って寿命に抗ってるけど、やっぱりどこかで限界が来てしまうだろ?
それがきつくなるときが肝胆膵外科医してたら結構ある。
家族も責めるところがなくて感情の行き場を失ってたりするし、そういうの見たら余計に自分には結局、何にも出来なかったなって。
なんてな、ごめん。結構この話重かったな。
話してみて気づいた」