極上タラシオトコの本気を引き出す方法
そう言って無理して笑う広瀬先生を見て、私は思わず先生の手をギュッと握ってしまった。
広瀬先生はそれに、少し驚いた顔をしたけど、私の手を握り返して「ありがとう」と言った。
「私は広瀬先生みたいに直接的に患者さんの予後に関わってる訳じゃないから、
きっと先生の思いや辛さを全部わかることなんて出来ないと思うけど、
でも、広瀬先生が何も出来なかったってことが間違ってるって言うことだけは分かります。」
私はそう話し始めると、広瀬先生は「間違ってる?」と少し困ったような表情を浮かべた。
「はい。
もちろん、寿命に抗うのは限界があると私も思います。そのタイミングはいつ訪れるかも、誰にも分からないし。
だけど、患者さんもご家族さんもその時のために精一杯前を向いて先生を信じて、一緒に戦ってる。
その過程には色んな治療の選択肢の中から、色んなことを考えて、勉強して、説明して、一緒に選んでるでしょ?
そういう、広瀬先生の姿がもうすでに患者さんにもご家族さんにも希望を与えてるし、生きる活力を与えてると思うんです。」