極上タラシオトコの本気を引き出す方法
「ごめん、莉子。
今までいっぱい傷つけてたな。」
そう言って莉子の表情を見ると、まだ目はとろんとして開いたり閉じたりしている。
はやく布団で寝かせてあげたいと思いながら足を急がせていると、莉子が口を開いた。
「そんな事ない、です。
ないけど、最近は、私に、飽きちゃったかなって、思ってました。
結婚、決まったんですか?
聞きたかったけど、遊び相手の立場で、重いって思われそうで、
先生に、嫌われたくなかったから、聞けなかった。
ほんとは、もっと、いっぱい会いたいし、色んなところ、行きたい。
結婚なんて、しないでほしい…」
ぽつりぽつりと紡がれる莉子の言葉に俺は胸を打たれた。
気がつけば、莉子の目からは涙が流れていて、
相当傷つけてしまっていた現実に、俺はやっと直面した。