極上タラシオトコの本気を引き出す方法
「ごめん。莉子」
そう言っていると、莉子の部屋の前に着いた。
鍵を開けて入ると、女の子らしい部屋に莉子の香りがふわっと香った。
ベッドに寝かせて、水を飲まようとしていると、莉子がまたぼんやりと目を開けた。
「この部屋に、広瀬先生がいるなんて、
なんかほんとに、夢みたい。
離れたくない」
そう言いながら俺の手を自分の頬に持っていって、冷たくて気持ちいい、なんて言う莉子がやっぱり愛しくて堪らない。
「俺だって離れたくない。
こんな可愛い莉子、他の男になんか渡したくない。
でもごめん。俺は広瀬記念病院の跡取りだから。
親父の期待にも応えたいし。
それに俺と一緒にいたら、親父やお袋の冷たい風当たりにいつか会うことになる。
ごめん。これで、終わりにしよう。
お互いに離れたほうがいい。」