鎖に繋がれた月姫は自分だけに跪く竜騎士団長に焦がれてやまない
「……国境にある砦を拠点にして戦えば、楽だろう。あいつは指揮官だし、敵の頭数と部隊の編成を見て、自分が出るまでもない戦闘になるだろうと判断した。俺は、オデットの傍にいる方が良いから帰れと」
淡々と話す言葉には、セドリックの感情は見えなかった。
「……そんな! そんなのダメよ。キースが私を大事に思ってくれているのは、ちゃんと理解してはいるけど……早く、帰って欲しい。どうか、彼の傍に居て。私なら大丈夫よ。ちゃんと護衛だって居てくれているし、たくさんの竜が居る竜舎だってすぐそこよ」
このところ竜舎に遊びに行っては仲良くしている若い竜たちは、オデットを自分たちの契約した竜騎士の上司キースの恋人であると認識してくれているはずだ。
それに彼らはオデットが一度攫われてしまったことも知っているから、何かまたあるかもしれないと心配していると素直に言ってくれた。オデットが心の中で彼らを呼べば、きっと誰かが応えてくれる。そうなれば、一気に竜騎士団中に伝わることになるだろう。
淡々と話す言葉には、セドリックの感情は見えなかった。
「……そんな! そんなのダメよ。キースが私を大事に思ってくれているのは、ちゃんと理解してはいるけど……早く、帰って欲しい。どうか、彼の傍に居て。私なら大丈夫よ。ちゃんと護衛だって居てくれているし、たくさんの竜が居る竜舎だってすぐそこよ」
このところ竜舎に遊びに行っては仲良くしている若い竜たちは、オデットを自分たちの契約した竜騎士の上司キースの恋人であると認識してくれているはずだ。
それに彼らはオデットが一度攫われてしまったことも知っているから、何かまたあるかもしれないと心配していると素直に言ってくれた。オデットが心の中で彼らを呼べば、きっと誰かが応えてくれる。そうなれば、一気に竜騎士団中に伝わることになるだろう。