鎖に繋がれた月姫は自分だけに跪く竜騎士団長に焦がれてやまない
「王族に……?」

 金色の丸い目を瞬いたオデットは、まじまじとキースの顔を見た。確かに王子様と言われれば、簡単に納得してしまうほどに整った顔立ちだった。

(キース様が、これだけ整っている顔をお持ちなのは、そういう事……なのかな。さっきも陛下はキース様は、王族の血の濃い二人の子どもだという暗喩をした? だから、こんなに……)

「女性に……こうしてじっと見つめられるのは、別に悪い気はしないが。そろそろ、先に進んでも?」

 考え事をしていてついつい彼の顔を凝視していた事に気がついたオデットは、慌ててキースから視線を外した。

「ごめんなさいっ……! キース様、王子様なんだと思って……それで。なんだか……ごめんなさい」

 慌てて謝るオデットに、苦笑してキースは言った。

「王子様……それ部下の誰かにでも聞かれたら、爆笑必至だが。まあ、その呼称が王族で若い男子という意味であれば、一応合ってる」

 二人並んで城の広い廊下を歩き出して、キースは特に嫌な顔をする事なく頷いた。もう必要ないというのに、自分の手を握っている大きな手が温かい。

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