鎖に繋がれた月姫は自分だけに跪く竜騎士団長に焦がれてやまない
ほんの少し前まで何も知らなかった彼女も、若くない男の面白くない冗談への正しい対応を判ってきたらしい。
誰も。こんな面倒な男の横に、並び立ちたいなどと望まなかったはずだ。少しでも損得を計算してしまう女なら、もっと楽に幸せになれる男を選んだはずだ。
だがオデットは迷う事なく、キースの傍に居ることを選ぶと言った。そして、自分が救い庇護していたはずのかよわい女の子が、まさかこの自分の窮地に救ってくれるという奇跡を起こした。
思えば今まで、何も諦めずに走り抜けた。
手をすり抜けて失うものも多かったが、得たいと願ったものも。また、今この手にあった。
(叶えたければ、願え。大事な彼女を一生守り通す事が出来る力を持っている今の自分を、誇れ。不運な身の上だったことなど、いつかの笑い話にすれば良い。願い夢を見ることを諦めずに、走り続けることが出来れば……)
「……いつか。月にも、手が届くのかもな」
「今、朝ですよ?」
「知ってる」
Fin
誰も。こんな面倒な男の横に、並び立ちたいなどと望まなかったはずだ。少しでも損得を計算してしまう女なら、もっと楽に幸せになれる男を選んだはずだ。
だがオデットは迷う事なく、キースの傍に居ることを選ぶと言った。そして、自分が救い庇護していたはずのかよわい女の子が、まさかこの自分の窮地に救ってくれるという奇跡を起こした。
思えば今まで、何も諦めずに走り抜けた。
手をすり抜けて失うものも多かったが、得たいと願ったものも。また、今この手にあった。
(叶えたければ、願え。大事な彼女を一生守り通す事が出来る力を持っている今の自分を、誇れ。不運な身の上だったことなど、いつかの笑い話にすれば良い。願い夢を見ることを諦めずに、走り続けることが出来れば……)
「……いつか。月にも、手が届くのかもな」
「今、朝ですよ?」
「知ってる」
Fin


