君とふたりで。
智史さんは、「こーゆう奴らと関わってるの知られると、ろくなことにならねーから」と曖昧な笑みでそう言った。
「智史だって結構有名…」
「余計なこと言うな! 俺のイメージ下がるだろーが」
「はい、長谷川はこんな奴ですよ〜」
2人は面白可笑しく言っていたけれど…。
その意味はなんとなく分かった。
「あたし、ここ来ちゃ駄目ですか…?」
思わず呟きにも似た声を出していた。
そりゃ最初は関わりたくないって思ったけど。
今こうして話してみると、「怖い」って感じはなくて。
“あの人”には…
若干、そーゆう気持ちはあるけど。
むしろ、「知りたい」って思う方が大きくなって。
「…咲良ちゃんが来たいなら大歓迎。ただその時は、周りには気づかれないように…な?」
「うん!」
嬉しさから、満面の笑みを浮かべると、智史さんは「よし」と了承してくれた。
一通り話がまとまると、溜まり場の向こうから人影が近づいてきた。
3人揃うと、身長160そこらのあたしがいると異様な気もする。
みんな背が高いから。