君とふたりで。
「ハル、携帯電源切ってんだろ」
「2日前から充電してねぇ」
「はぁ!? アホか!! 意味ねーじゃん!」
やりとりを見ていると、あたしの方に視線を向けた“ハルさん”と目が合った…から、思わず逸らした。
やばい。感じ悪いって思われたかも…!!
「ははは!」
すると、爆笑とまではいかないが、高らかな笑い声が。
「智史何笑ってんだー?」
「や、こっちの話」
裕矢くんは不思議そうに首を傾げたが、すぐ興味がなくなったようで。
「他の奴らも来てるし、とりあえず行こーぜ」と溜まり場へ入っていった。
“ハルさん”もそれに続く。
智史さんとあたしだけ取り残された。
行かないのかな…と思っていると。
「咲良ちゃん。アイツのこと苦手?」
歩いていく“ハルさん”を指差し、唐突な質問。
「え"!? いやっあの。………はい」
「素直だなぁ!」
「なんか…」
「ハル怖い?」
怖くないと言えば嘘になる。
でもそれ以上に感じるものといえば──
「あれ、不思議っ子だからな〜」