君とふたりで。
──そう。不思議。
何考えてるか分からないし、他の人と雰囲気が違う。
うまく言い表せないんだけど。
何かが違う。
…ちょっと気になることは確かだった。
「話してみる?」
「──へ?」
あたしは返事をする暇もなく、溜まり場へ連れていかれた。
「智史さん!?」
「大丈夫大丈夫。今日他の連中もいるし、2人で心置きなく話せるよ」
そーゆう問題じゃない!
大体まともに喋ったことないのに2人でなんて…っ!
「ハルー!」
…あぁ、人生終わった。
智史さんがグイグイ引っ張ってきたのは、俗に言う
“ヤンキー座り”?をしたあの人の所。
「アイツらのテンションについていけないだろうから、咲良ちゃん相手してやってよ」
智史さんは裕矢くんを含めた、「いかにも」な男の群れを顎で差した。
まだ夕方なのに宴会もどきが始まっている。
警察を呼ばれないかと心配してしまうくらいの勢いだ。
“ハルさん”は上目遣いであたしを見ると、「いーよ」と言葉を発した。
初対面と言ってもいいほど、関わり少ないのに。