もう、秘密になんて出来ないっ!
両親からクレジットカードを預かっているから金額はあまり気にしなくてもいいとの事だったけれど、やっぱり気が引けてアウトレット価格から更に割り引いているものを中心に買い物をした。
そんなわたしを見て兄は「やれやれ」と言った感じでため息をついていたりしたけれど、それでも一緒に買い物を楽しんでくれた。
そしてひと通り買い物が済んでそろそろ帰ろうとした時、わたしの目にある物が飛び込んできた。
それは、何年も前から憧れているブランドのバッグ__。
「__みあ。ここの店にも入ってみようか」
「え、でも…」
「いいから。入ろう?」
「う、うん」
兄に手を引かれ、おずおずと店内に足を踏み入れた。
「わ…ぁっ」
そのお店は想像していた以上に『可愛い』が溢れていて、それでいて上品さも兼ね揃えていて、女子には堪らない雰囲気。
わたしが以前ネットで見て一目惚れしたハートがモチーフとなっているバッグは、お店の中央に陳列されていた。