暴君CEOの溺愛は新米秘書の手に余る~花嫁候補のようですが、謹んでお断りします~
「今日から配属になりました坂本さんです」
私を横に並ばせて、紹介してくれる課長。
「ああ」
20畳ほどはありそうな部屋の窓際に置かれた大きなデスク越に椅子に座ったままこちらを見る男性。
え?
思わず声が出そうになるのを私は何とか飲み込んだ。
若い。
それが第一印象。
恰幅のいい中年男性を想像していたのに、目の前の男性はどう見ても20代。
精悍で整った目鼻立ちと、真一文字に引き締められた口元。
程よく筋肉の付いた体は身長185センチ位はありそうで、谷口課長と同じく細身で長身な印象。
パッと見近づきがたさを感じるくらいのオーラを放つ、イケメンだった。
今は、しわ一つなく見ただけでオーダー品とわかるスーツを着てじっとこちらを睨んでいる。
「坂本望愛です。よろしくお願いいたします」
色々と驚きはあるけれど、挨拶しないわけにもいかず私は再び頭を下げた。
その時、
「随分いい色にやけているが、リゾート帰りか?」
「え?」
さすがに、ポカンと口が開いた。
えっと、今何を言われたんだろう?
咄嗟のことに思考が追い付かないけれど、好意的な反応でないのはわかる。
だって、すごく冷たい視線を向けられているもの。
「副社長」
険しい顔をした課長が少しだけ声を大きくする。
「何だよ」
何か文句でもあるのかと言いたそうに顔をしかめた後、立ち上がった副社長が、
「一条創介だ」
私に向かって名前を名乗った。
よろしくもないただの自己紹介だけれど、一応受け入れてもらったってことかしら。
でも待って、一条って・・・
「副社長は会長の孫にあたる」
不思議そうに見つめている私に、課長が教えてくれた。
やっぱりそうか。ってことは一条財閥の御曹司。
どうやら私はとんでもないところに来てしまったらしい。
私を横に並ばせて、紹介してくれる課長。
「ああ」
20畳ほどはありそうな部屋の窓際に置かれた大きなデスク越に椅子に座ったままこちらを見る男性。
え?
思わず声が出そうになるのを私は何とか飲み込んだ。
若い。
それが第一印象。
恰幅のいい中年男性を想像していたのに、目の前の男性はどう見ても20代。
精悍で整った目鼻立ちと、真一文字に引き締められた口元。
程よく筋肉の付いた体は身長185センチ位はありそうで、谷口課長と同じく細身で長身な印象。
パッと見近づきがたさを感じるくらいのオーラを放つ、イケメンだった。
今は、しわ一つなく見ただけでオーダー品とわかるスーツを着てじっとこちらを睨んでいる。
「坂本望愛です。よろしくお願いいたします」
色々と驚きはあるけれど、挨拶しないわけにもいかず私は再び頭を下げた。
その時、
「随分いい色にやけているが、リゾート帰りか?」
「え?」
さすがに、ポカンと口が開いた。
えっと、今何を言われたんだろう?
咄嗟のことに思考が追い付かないけれど、好意的な反応でないのはわかる。
だって、すごく冷たい視線を向けられているもの。
「副社長」
険しい顔をした課長が少しだけ声を大きくする。
「何だよ」
何か文句でもあるのかと言いたそうに顔をしかめた後、立ち上がった副社長が、
「一条創介だ」
私に向かって名前を名乗った。
よろしくもないただの自己紹介だけれど、一応受け入れてもらったってことかしら。
でも待って、一条って・・・
「副社長は会長の孫にあたる」
不思議そうに見つめている私に、課長が教えてくれた。
やっぱりそうか。ってことは一条財閥の御曹司。
どうやら私はとんでもないところに来てしまったらしい。