暴君CEOの溺愛は新米秘書の手に余る~花嫁候補のようですが、謹んでお断りします~
「坂本さんごめんね。すぐに戻るから」
副社長との顔合わせが終わり執務室で業務についての説明を受けていると課長のスマホが震え、慌ただしく課長は出て行ってしまった。
困ったなあ、いきなりここに置いて行かれたら何をどうしたらいいのか全く身動きが取れない。
せめてマニュアルとかあれば・・・
4畳ほどの部屋にはデスクが1つ。
壁際には棚がありファイルや本が並んでいて、壁を背にデスクに向かい右手のドアの先は副社長室。反対側の左手のドアは通路へとつながっている。
「あ、」
何気なくデスクの引き出しを開けると、何冊かのファイルが目に留まった。
「それは前任者が残していった業務マニュアルだ。今日のうちに目を通しておいてくれ」
「は、はい」
返事はしたものの、分厚いファイルが5冊ほどもあれば今日中には厳しい。
それでもやるしかないだろう。
副社長は今、きっと私を試そうとしているのだから、多少無理してでもやり遂げるしかない。
そして、ずっとスポーツを続けてきた私は追い詰められるほど燃えてしまう。
悲しいスポコン根性だ。
その日一日、私は執務室を一歩も出ずに過ごした。
夢中になるあまり時間を忘れ、食事をとることもトイレに行くこともなく気が付いたら終業時間だった。
副社長との顔合わせが終わり執務室で業務についての説明を受けていると課長のスマホが震え、慌ただしく課長は出て行ってしまった。
困ったなあ、いきなりここに置いて行かれたら何をどうしたらいいのか全く身動きが取れない。
せめてマニュアルとかあれば・・・
4畳ほどの部屋にはデスクが1つ。
壁際には棚がありファイルや本が並んでいて、壁を背にデスクに向かい右手のドアの先は副社長室。反対側の左手のドアは通路へとつながっている。
「あ、」
何気なくデスクの引き出しを開けると、何冊かのファイルが目に留まった。
「それは前任者が残していった業務マニュアルだ。今日のうちに目を通しておいてくれ」
「は、はい」
返事はしたものの、分厚いファイルが5冊ほどもあれば今日中には厳しい。
それでもやるしかないだろう。
副社長は今、きっと私を試そうとしているのだから、多少無理してでもやり遂げるしかない。
そして、ずっとスポーツを続けてきた私は追い詰められるほど燃えてしまう。
悲しいスポコン根性だ。
その日一日、私は執務室を一歩も出ずに過ごした。
夢中になるあまり時間を忘れ、食事をとることもトイレに行くこともなく気が付いたら終業時間だった。