暴君CEOの溺愛は新米秘書の手に余る~花嫁候補のようですが、謹んでお断りします~
「どんなお客さんも君が担当すれば必ず笑顔で帰って行って、いつも楽しそうに仕事をしていたって言っていたよ。できれば帰って来てもらいたいともね」
「そんな・・・」
随分過大評価だな。
私はそんなたいした人間ではなく、ただその時その時の仕事を精一杯こなしただけ。
子供の頃から体が弱くて外で遊ぶこともままならなかった双子の妹を見ながら、苦しくても泳げることが幸せだと思ったし、学校へ行けることも、働けることも、すべてが元気だからだと感謝してきた。
そういう意味では、いつも元気にニコニコしている人間に見えたのかもしれない。
「そこで君の配属先なんだが・・・」
ちょっとだけ言いにくそうに課長が言葉を止めた。
私も少し、嫌な予感がする。
「うちの副社長秘書として勤務してもらいたいんだ」
「副社長秘書ですか?」
「そう」
いや、待って。
それは無理よ。
だって、私には秘書としての経験もスキルもない。
当然秘書検定も持っていないし、そもそもデスクワークの経験がないのに・・・
「心配しなくても実務は僕がフォローするし、秘書課の他のスタッフもサポートに入る。君には電話の取次ぎや副社長のスケジュール管理をしてもらえばいいから」
「いや、しかし・・・」
こんな大きなホテルの副社長となればそんな簡単な話ではないと思う。
「沖縄でわがままなお客さんの相手をしていたような感覚で、副社長の相手を頼みたいんだ」
「そんな・・・」
子供の相手を依頼するようにいわれても・・・
「そんな・・・」
随分過大評価だな。
私はそんなたいした人間ではなく、ただその時その時の仕事を精一杯こなしただけ。
子供の頃から体が弱くて外で遊ぶこともままならなかった双子の妹を見ながら、苦しくても泳げることが幸せだと思ったし、学校へ行けることも、働けることも、すべてが元気だからだと感謝してきた。
そういう意味では、いつも元気にニコニコしている人間に見えたのかもしれない。
「そこで君の配属先なんだが・・・」
ちょっとだけ言いにくそうに課長が言葉を止めた。
私も少し、嫌な予感がする。
「うちの副社長秘書として勤務してもらいたいんだ」
「副社長秘書ですか?」
「そう」
いや、待って。
それは無理よ。
だって、私には秘書としての経験もスキルもない。
当然秘書検定も持っていないし、そもそもデスクワークの経験がないのに・・・
「心配しなくても実務は僕がフォローするし、秘書課の他のスタッフもサポートに入る。君には電話の取次ぎや副社長のスケジュール管理をしてもらえばいいから」
「いや、しかし・・・」
こんな大きなホテルの副社長となればそんな簡単な話ではないと思う。
「沖縄でわがままなお客さんの相手をしていたような感覚で、副社長の相手を頼みたいんだ」
「そんな・・・」
子供の相手を依頼するようにいわれても・・・