薙野清香の【平安・現世】回顧録
「……そうね!そうよね!崇臣さんがついてるなら、安心かな」

(芹香……)


 どうやら芹香は、ようやく当初の目的――清香と崇臣を急接近させる、ということを思い出したらしい。興奮しているのか、どこか声が上ずっている。
 清香としても、元々遊ぶことが目的ではない崇臣と一緒の方が気が楽だ。異論はないのでコクコクと小さく頷いて見せる。


「じゃあ崇臣、お前に任せたぞ」


 念押しするように東條が口にする。


「はっ」


 崇臣の力強い返答が聞こえた。
 ややして、一行が動き始める音が聞こえる。清香はほっと胸を撫でおろした。


(こ、これでしばらく休める……)


 なおもグルグル回り続ける視界の中、清香の意識はゆっくりと遠のいていった。


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