薙野清香の【平安・現世】回顧録
(このままじゃダメだわ)
声を発すれば気持ちが悪くなるものの、皆をこのままここへ拘束するわけにはいかない。清香は意を決して口を開いた。
「悪いんだけどさ、私はしばらく回復しそうにないし、皆はアトラクションを回ってきてよ。そっちの方が気を使わなくて良いし、芹香達が楽しんでくれる方が嬉しいから」
「えっ?でも、お姉ちゃんのこと心配だし……」
芹香の声は震えていた。本気で心配してくれているのだろう。
けれど次の瞬間、隣にドカッと誰かが座る気配がして、清香は薄っすらと目を開けた。崇臣だった。
「俺が残るから心配は無用だ」
芹香に向かって崇臣はそう言った。普段通り、憮然とした表情の崇臣だが、どこかいつもよりも柔和な印象を受ける。
とはいえ、今の清香はそれを長々と観察するだけの余裕は無い。再びクルクルと回りだす視界に、清香は急いで目を瞑った。
「あっ……!」
芹香は尚も心配そうに清香を覗き込んでいたようだが、やがて何事かを思いついたように小さく声を上げた。
声を発すれば気持ちが悪くなるものの、皆をこのままここへ拘束するわけにはいかない。清香は意を決して口を開いた。
「悪いんだけどさ、私はしばらく回復しそうにないし、皆はアトラクションを回ってきてよ。そっちの方が気を使わなくて良いし、芹香達が楽しんでくれる方が嬉しいから」
「えっ?でも、お姉ちゃんのこと心配だし……」
芹香の声は震えていた。本気で心配してくれているのだろう。
けれど次の瞬間、隣にドカッと誰かが座る気配がして、清香は薄っすらと目を開けた。崇臣だった。
「俺が残るから心配は無用だ」
芹香に向かって崇臣はそう言った。普段通り、憮然とした表情の崇臣だが、どこかいつもよりも柔和な印象を受ける。
とはいえ、今の清香はそれを長々と観察するだけの余裕は無い。再びクルクルと回りだす視界に、清香は急いで目を瞑った。
「あっ……!」
芹香は尚も心配そうに清香を覗き込んでいたようだが、やがて何事かを思いついたように小さく声を上げた。