薙野清香の【平安・現世】回顧録
(芹香や東條さんが聡明だなんて、当たり前のこと言っちゃって。さっきから何が言いたいんだろ?)
崇臣の言わんとしたいことが分からないまま、清香は再び首を傾げた。
「…………」
崇臣は何も言わず立ち上がると、窓の外を見つめた。灰色の空と藍の狩衣が妙に絵になる。それが何故だか清香の気に障った。
「俺たちが称賛するほどに聡明な二人があの日、あとをつけられていることに気づかなかったと、清香は本当に思っているのか?」
「へ?」
崇臣にそう疑問を投げかけられ、清香は目をぱちくりさせた。
(言われてみると……)
初めこそ、清香と崇臣はコソコソと隠密行動を取っていた。けれど、藤野姉妹とのやり取りあたりから、二人の姿は芹香たちから丸見えだったのかもしれない。
それにあの日の写真は、隠し撮りをしたにしては不自然なほどに、カメラ目線の芹香と東條のツーショットで溢れていた。二人の結婚式で流すつもりの清香としては、ラッキーだとばかり思っていたのだが……。
「私、ちっとも……盲点だったわ」
崇臣の言わんとしたいことが分からないまま、清香は再び首を傾げた。
「…………」
崇臣は何も言わず立ち上がると、窓の外を見つめた。灰色の空と藍の狩衣が妙に絵になる。それが何故だか清香の気に障った。
「俺たちが称賛するほどに聡明な二人があの日、あとをつけられていることに気づかなかったと、清香は本当に思っているのか?」
「へ?」
崇臣にそう疑問を投げかけられ、清香は目をぱちくりさせた。
(言われてみると……)
初めこそ、清香と崇臣はコソコソと隠密行動を取っていた。けれど、藤野姉妹とのやり取りあたりから、二人の姿は芹香たちから丸見えだったのかもしれない。
それにあの日の写真は、隠し撮りをしたにしては不自然なほどに、カメラ目線の芹香と東條のツーショットで溢れていた。二人の結婚式で流すつもりの清香としては、ラッキーだとばかり思っていたのだが……。
「私、ちっとも……盲点だったわ」