薙野清香の【平安・現世】回顧録
「何冊刷るのか、どういったことに力を入れたいかによって、どこに依頼を掛けるかは変わってくる。おまえは写真付きの本を作りたいんだろう?」
「えぇ……そうね」
崇臣は、清香の返事を聞くと、一覧の中から一社を選び、ホームページをクリックした。
「部数少なめで行くなら、ここが一番安い。色の出方も悪くないとある」
「へーー」
この男、パソコンだけでなく、こちらの方面に妙に詳しいようだ。清香は素直に感心した。
「部数は……そうねぇ、芹香の分と、私の分と……文化祭のときとかに制作物として並べても良いから、二十部も刷れば良いところかな」
清香は指を折りながら小さく微笑んだ。過去に、大ベストセラーだったからといって、自惚れるつもりはない。この部数でも多い方だと清香は思った。
「主の分も忘れず確保しろよ」
「……うん!」
崇臣が重ねて言うぐらいなので、どうやら東條は、本当に清香の本を楽しみにしてくれているらしい。清香は瞳を輝かせながら、崇臣の顔を覗き込んだ。
(嬉しいなぁ!東條さまが私の本を欲しがってくれるなんて)
ウキウキと目を細める清香を余所に、崇臣は憮然とした表情を崩しはしなかった。
「えぇ……そうね」
崇臣は、清香の返事を聞くと、一覧の中から一社を選び、ホームページをクリックした。
「部数少なめで行くなら、ここが一番安い。色の出方も悪くないとある」
「へーー」
この男、パソコンだけでなく、こちらの方面に妙に詳しいようだ。清香は素直に感心した。
「部数は……そうねぇ、芹香の分と、私の分と……文化祭のときとかに制作物として並べても良いから、二十部も刷れば良いところかな」
清香は指を折りながら小さく微笑んだ。過去に、大ベストセラーだったからといって、自惚れるつもりはない。この部数でも多い方だと清香は思った。
「主の分も忘れず確保しろよ」
「……うん!」
崇臣が重ねて言うぐらいなので、どうやら東條は、本当に清香の本を楽しみにしてくれているらしい。清香は瞳を輝かせながら、崇臣の顔を覗き込んだ。
(嬉しいなぁ!東條さまが私の本を欲しがってくれるなんて)
ウキウキと目を細める清香を余所に、崇臣は憮然とした表情を崩しはしなかった。