薙野清香の【平安・現世】回顧録
「おまえも大概ブレないよな」


 隣で崇臣が呆れたように笑いながら、清香のことを見下ろしている。


「あんたにだけは言われたくない……って!崇臣も早く、二人の隣に並びなさいよ」


 二人のツーショット写真は撮りたいが、集合写真だって押さえておきたい。清香が未だその場から動こうとしない崇臣を睨みつける。すると、崇臣は無言で手を差し出した。


「なに?」

「写真なら俺が撮るから、清香が二人の隣に並べ」


 崇臣はそう言いながら、チラチラと先ほど凝視していた方を振り返った。


「良いわよ、私は。それより、早くしないと芹香が焦れちゃうでしょ」

「お前の方こそさっさと並べ」


 こういう時、二人そろって頑固だと話が進まない。そうは分かっているが、清香は引く気が無かった。


「何?あんた写真撮られるのは嫌なタチ?こういう時ぐらい皆に合わせるってことを」

「いや、そうじゃなくて……」

「――――だったら、私が代りに撮ってあげましょうか?」


< 82 / 226 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop