薙野清香の【平安・現世】回顧録
崇臣の言葉を遮り、背後から別の誰かが二人の会話に割り入った。崇臣が腹立たしそうに頭を抱えている。
ぞわりと、何やら禍々しいオーラを清香は感じた。以前にも経験のある嫌な感覚だ。悪寒を振り払いながら、清香は後ろを振り返った。
そこには清香の予想通り、藤式部……紫と、その妹である暁が立っていた。
「藤野さん……でしたっけ?どうしてここに?」
唇を引き攣らせながら清香が尋ねる。紫はニヤリと口角を上げて笑いながら、清香の手からカメラを引っ手繰った。
「どうしてって……暁と遊びに来たら、たまたまあなた達がここにいたってだけよ」
(絶対嘘だろ)
紫の言葉に清香が崇臣を振り返る。崇臣は渋い表情を浮かべると、フルフルと首を横に振った。
「あっ、あの!お姉ちゃんがスミマセン!止めたんですけど……」
暁は困惑しきった表情で、ペコリと頭を下げた。気づかわし気に清香を見上げている。清香はウッと言葉に詰まりながら、表情を曇らせた。
(主人に謝らせるなんて)
現代の紫と暁は姉妹の間柄だ。けれど、紫には記憶が残っているし、彼女は暁の女房だった。従者は主人のために尽くすべき存在であり。頭をさげさせるなんてこと、間違ってもあってはならない。そう思うと、それを顧みない紫の振る舞いは、清香にとって腹立たしいものだった。
ぞわりと、何やら禍々しいオーラを清香は感じた。以前にも経験のある嫌な感覚だ。悪寒を振り払いながら、清香は後ろを振り返った。
そこには清香の予想通り、藤式部……紫と、その妹である暁が立っていた。
「藤野さん……でしたっけ?どうしてここに?」
唇を引き攣らせながら清香が尋ねる。紫はニヤリと口角を上げて笑いながら、清香の手からカメラを引っ手繰った。
「どうしてって……暁と遊びに来たら、たまたまあなた達がここにいたってだけよ」
(絶対嘘だろ)
紫の言葉に清香が崇臣を振り返る。崇臣は渋い表情を浮かべると、フルフルと首を横に振った。
「あっ、あの!お姉ちゃんがスミマセン!止めたんですけど……」
暁は困惑しきった表情で、ペコリと頭を下げた。気づかわし気に清香を見上げている。清香はウッと言葉に詰まりながら、表情を曇らせた。
(主人に謝らせるなんて)
現代の紫と暁は姉妹の間柄だ。けれど、紫には記憶が残っているし、彼女は暁の女房だった。従者は主人のために尽くすべき存在であり。頭をさげさせるなんてこと、間違ってもあってはならない。そう思うと、それを顧みない紫の振る舞いは、清香にとって腹立たしいものだった。