薙野清香の【平安・現世】回顧録
「ねぇ、東條君!この子がもしかして幼馴染の暁ちゃん?」

「うん、そうだよ」


 どうやら芹香は、暁の存在について事前に聞かされていたらしい。何故だかキラキラと瞳を輝かせ、嬉しそうに笑っている。


(芹香、表情が間違ってる‼その子、あなたのライバルなのに)


 そんな言葉が喉元まで出かかったが、清香は必死でそれを飲み込んだ。何やら渋い表情をした崇臣が、清香のそんな様子を眺めている。


「やっぱり!会えて嬉しい!私、薙野 芹香です。同い年だし、仲良くしてもらえると嬉しいなぁ」


 芹香はそう言って暁の手を取り、朗らかに笑った。思わぬ反応だったのだろう。暁は少しだけ驚いたように目を見開いたが、やがて嬉しそうに微笑み返した。


「私もっ……!よろしくね」


 嬉しそうに手を取り合う二人の側で、東條がニコニコと屈託なく笑っている。


(うーーーーん、私としては複雑な心境だわ)


 心の中で清香が唸った。

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