砂嵐のいたずら



『そんなところに突っ立ってないで、座ったら?』



チャールズは、窓の外を見たまま言った。



ゆっくりと歩いて行くと、


『あーーー!まだるっこしい!!!』



チャールズは私を軽々と抱き上げ、ベンチまで運ぶと、私の隣に座った。



「あ、ありがと…何を見てたの?」



私が聞くと、チャールズは寂しそうな笑みを浮かべ、


『………過去を見ていた。』



「…過去って?」



あなたのその顔を見ればわかる…



きっと、辛くて悲しい過去なんだろうね。



< 78 / 137 >

この作品をシェア

pagetop