別冊・ダブルブルー
「そうだなぁ…」
一歩引いて、私の全身を眺めた青さん、は。
あ。いいこと、思い付いた。
ちいさくつぶやいて、両手を自分の首の後ろに持っていった。
かちゃ、かちゃ、と、ほんの僅かな金属音がしたのち、青さんの手のひらには今しがたまで、青さんが着けていたネックレスが握られている。
それをおもむろに、私の首もとに当ててみせた。
「ん、ほら。ぴったり、だ。蒼ちゃんに貸してあげる」
そのネックレスは、青さんが初めて映画の主演をした記念に、自分で買ったものだと聞いていた。
細い細い、ゴールドの鎖に重すぎない華奢なコインが付いている。
プライベートや公の場問わず、青さんが、よくつけているネックレス、で。
「…こんなに大切なもの、貸してもらえません!」
そんな私の本気の抗議、にも。
いいから、いいから。
有無をいわせずに、私の首もとへネックレスをあてがった、青さん。
私の首の後ろにまわった、青さんの手元が一瞬、止まった。
でもそれは、ほんの一瞬のことで。
「ほら、やっぱりぴったんこ、だねぇ」
微笑むその目元に、瞬く間に見とれた。
・
一歩引いて、私の全身を眺めた青さん、は。
あ。いいこと、思い付いた。
ちいさくつぶやいて、両手を自分の首の後ろに持っていった。
かちゃ、かちゃ、と、ほんの僅かな金属音がしたのち、青さんの手のひらには今しがたまで、青さんが着けていたネックレスが握られている。
それをおもむろに、私の首もとに当ててみせた。
「ん、ほら。ぴったり、だ。蒼ちゃんに貸してあげる」
そのネックレスは、青さんが初めて映画の主演をした記念に、自分で買ったものだと聞いていた。
細い細い、ゴールドの鎖に重すぎない華奢なコインが付いている。
プライベートや公の場問わず、青さんが、よくつけているネックレス、で。
「…こんなに大切なもの、貸してもらえません!」
そんな私の本気の抗議、にも。
いいから、いいから。
有無をいわせずに、私の首もとへネックレスをあてがった、青さん。
私の首の後ろにまわった、青さんの手元が一瞬、止まった。
でもそれは、ほんの一瞬のことで。
「ほら、やっぱりぴったんこ、だねぇ」
微笑むその目元に、瞬く間に見とれた。
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