別冊・ダブルブルー
それ、で?オレ、これは聞いていないんだけ、ど?


そんな青さんからのセリフとともに、


…ひゃ…ッ…!


悲鳴とも似付かない私の声が漏れたのは、するりと私のワンピースの背中の隙間から、青さんのあたたかな手のひらが差し込まれたから。


「なぁーんか、おかしいと思ったんだよなぁ。あんまり見ない、お団子の髪の毛だし」


これ、なんてゆうの?バックリボン?シンプルなデザインのワンピースだと思って、安心してたのに、こーんなとこにリボンついてるなんて。んで、ここ、穴空いてるし。


…いや、そうゆうデザイン、で…


いやいやいやいやいやいや!ここ!!なんで、穴空いてんの?必要ないでしょ?!こんなん、他の男寄ってくんでしょ。しかも、こーんな高い位置でお団子にしちゃったら、丸見えでしょ?丸見えだから!!


この穴!必要ないから!


ネットショップで一目惚れした、ワンピース。


ふくらはぎの丈で、淡いブルー。


背中に、ちょこんと付いているリボンが、可愛くて。


そのリボンは、少し開き気味の生地を渡すように付いているから、どうしてもその間に肌が見える。

でもそれは、ほんの少しだし。


逆に上品に、肌を綺麗に見せてくれていると思うのだけれど。


そんな風に青さんに告げたら。


オレ以外に肌を見せる必要なんて、1ミクロンもありゃーせんッ!


なんて、特大のブーメラン…。








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