鬼上司は秘密の許嫁?!溺愛されるなんて聞いてません

鬼上司、来る…!

ちょっぴりソワソワしつつ過ごしていれば、あっという間に時は経つもので―。

あれから二日後。

噂の鬼上司がやって来るというドキドキな今日というこの日に限って、私は会社ではなくショッピングモールに居たりします。
ちなみに今、搬入する為の文具類を車から降ろしているところだったりする。

うっ、重い。

「よいしょっ、と~。フゥ…」

やれやれ、と掻いてないのに汗を拭う仕草をするのは儀式の様なモノだ。
体力も筋力も自信が無く節々が痛いのは本当で、思わず腰をトントンしてしまった。
それから台車の音をゴロゴロとさせながら裏口へ向かい、警備員に通行証を見せ店内へと入った。

何で私が今ショッピングモールに居るのかというと、今日という日に限って出勤して直ぐモール店から『追加で物品を納入して欲しい』と連絡が入ったからだ。

どうやら纏めて購入の希望者に今日の昼受け取りで取り寄せを受けていたのに、うっかりバイトさんが忘れるというミスをしてしまっていたみたい。
早出で来て予約や搬入チェックをしていて気がついた店長が急いで連絡―その結果、一番下っ端の私が向かうことになったというわけで。

あーあっ、どんな人が来るのか見たかったなぁ…。

社に戻れば絶対に顔を会わるのは分かってはいるけど、やっぱり早く知りたいし、もの凄く気になる。
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