ひと駅分の彼氏
朝の通勤通学ラッシュに揉まれながらもどうにか席を確保することに成功した。
電車内は8割型埋まっていて、私の隣には見知らぬサラリーマンが座っている。
サラリーマンは耳にイヤフォンを付けていて周囲の喧騒から上手に逃げている。
私は電車内のどこにも焦点をあわせることなく、指先でネックレスに触れてそれを弄んでいた。
この時間帯の電車内はどこの車両もいっぱいで、少し目を上げるとすぐに見知らぬ誰かと視線がぶつかってしまう。
その瞬間互いになんとなく気まずい雰囲気になって、すぐに目をそらす。
そういうことが私には少し億劫だった。
だからどこにも目の焦点を合わせず、立っている人たちの腹部あたりをぼんやりと見つめる。
こうしていると誰とも目を合わせなくていいから。
電車が次の駅で停車したとき、乗っていた人たちの体が同じ方向に大きく揺れる。
私の体も一度右側に大きくかしいで、そして元に戻った。
プシューッ! と電車が長い息を吐き出してドアが開く。
隣のサラリーマンが立ち上がり、隣は空席になった。
つかの間の座席の広さにホッと息を吐き出す。
電車内は8割型埋まっていて、私の隣には見知らぬサラリーマンが座っている。
サラリーマンは耳にイヤフォンを付けていて周囲の喧騒から上手に逃げている。
私は電車内のどこにも焦点をあわせることなく、指先でネックレスに触れてそれを弄んでいた。
この時間帯の電車内はどこの車両もいっぱいで、少し目を上げるとすぐに見知らぬ誰かと視線がぶつかってしまう。
その瞬間互いになんとなく気まずい雰囲気になって、すぐに目をそらす。
そういうことが私には少し億劫だった。
だからどこにも目の焦点を合わせず、立っている人たちの腹部あたりをぼんやりと見つめる。
こうしていると誰とも目を合わせなくていいから。
電車が次の駅で停車したとき、乗っていた人たちの体が同じ方向に大きく揺れる。
私の体も一度右側に大きくかしいで、そして元に戻った。
プシューッ! と電車が長い息を吐き出してドアが開く。
隣のサラリーマンが立ち上がり、隣は空席になった。
つかの間の座席の広さにホッと息を吐き出す。