ひと駅分の彼氏
真琴はふたつ返事でOKしてくれた。


「ほんと!?」


「うん。明日は予定もないし、紗耶のおばあちゃんにも会ってみたいしな」


このときすでに互いの両親とは会ったことがあり、交際も認めてもらうことができていた。


このまま結婚まで……とは私自身も思っていない。


まだまだ人生先が長いし、これから2人の関係がどうなっていくのかもわからない。


それでも真琴はちゃんとけじめとして挨拶に行きたいと申し出てくれたのだ。


そんな誠実な真琴のことが私は大好きだった。


できればこのままずっと、おとなになってからも一緒にいたいと願っている。


「なにか手土産を用意しないとな」


すでに祖母の家に行く気満々な真琴は真剣な表情でそう言ったのだった。
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