ひと駅分の彼氏
墓石
優花里が私を連れてきた先は小高い丘の上だった。
そこはとても日当たりがよくて心地の良い場所だけれど、周囲は墓地で囲まれていた。
ここまで連れてこられる前に私は優花里がどこへ向かうのか気が付いていた。
この桜ヶ丘霊園には真琴のお墓があるのだ。
私は葬儀にはでたけれど、ここへ来るのは初めてのことだった。
「ここが真琴くんが眠っている場所だよ。49日を待たずにご両親が納骨したじゃない」
キレイに掃除されたお墓の前で優花里が立ち止まる。
私は咄嗟に墓石から視線を外してしまった。
少しでも真琴の名前が視界に入ったら、自分の心臓は止まってしまうかもしれない。
そんな恐ろしさがあった。
「明日で49日なんだよ?」
優花里の声は震えていて、握りしめている手に力がこもった。
互いの手のひらはじっとりと汗が滲んでいたけれど、決して離されることはなかった。
「……わかってるよ」
声がかすれてしまった。
明日で、真琴が死んで49日になる。
ご両親が真琴の骨を置いておくことが辛いと言って、明日を待たずに納骨を終えたことも聞かされていた。
そこはとても日当たりがよくて心地の良い場所だけれど、周囲は墓地で囲まれていた。
ここまで連れてこられる前に私は優花里がどこへ向かうのか気が付いていた。
この桜ヶ丘霊園には真琴のお墓があるのだ。
私は葬儀にはでたけれど、ここへ来るのは初めてのことだった。
「ここが真琴くんが眠っている場所だよ。49日を待たずにご両親が納骨したじゃない」
キレイに掃除されたお墓の前で優花里が立ち止まる。
私は咄嗟に墓石から視線を外してしまった。
少しでも真琴の名前が視界に入ったら、自分の心臓は止まってしまうかもしれない。
そんな恐ろしさがあった。
「明日で49日なんだよ?」
優花里の声は震えていて、握りしめている手に力がこもった。
互いの手のひらはじっとりと汗が滲んでいたけれど、決して離されることはなかった。
「……わかってるよ」
声がかすれてしまった。
明日で、真琴が死んで49日になる。
ご両親が真琴の骨を置いておくことが辛いと言って、明日を待たずに納骨を終えたことも聞かされていた。