君の愛に酔う~藤の下で出会った2人の物語~
「ウィルのおっしゃる通り、マグノリアで戦争を動かしているのはシュヴァルツ公です。国王陛下は戦争に反対でした。」
「国王はシュヴァルツ公を制御できないのか?」
「マグノリアの経済を支えているのはシュヴァルツ公の領地から採れる豊富な鉱山資源なんです。有力貴族たちの多くもその恩恵を受けていますから、シュヴァルツ公の影響力も絶大で、陛下も無視できないんです。」
「シュヴァルツ公の派閥に属していない勢力はどれくらいか分かる?」
「いいえ、そこまでは。」
「ねぇ、ウィル。ジジの話から考えると、なんとかユリウス国王と接触できれば被害を小さくできるんじゃない?」
「さすが、エリー。その策がとれるかどうか、明日会議で話し合ってみるよ。」

国王夫妻との楽しい晩餐が終わり、
ジゼルはエドウィナが使っていたという部屋に戻る。
その部屋にはエドウィナの私物がそのまま残されていた。
幸せそうな笑みを浮かべる母の写真を見て、ジゼルは切ない気持ちになった。
(お母様、私とうとうお母様が生まれた国に来たのよ。この国で幸せを見つけられるかしら。)
ベットにゴロンと横になると、ジゼルはたちまち深い眠りについた。
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