君の愛に酔う~藤の下で出会った2人の物語~
女帝ウィルヘルミーナはウィリアムとの約束通り、
すぐに軍隊を組織してリリオぺを防衛してくれた。
世界最強の海軍は速やかに港を制圧すると、
港に寄港していた各国の商船のための脱出ルートを確保して、
ユーフォルビア軍と対峙。
リリオぺの防衛とともにユーフォルビア軍がハートシードへと向かわないように
経路を塞いでくれている。

一方のハートシードの戦況は一進一退を繰り返していた。
やはり軍事大国の名は伊達ではなく、こちらの弱いところを的確に攻めてくる。
ウィステリア&ハイドランジア連合軍の奮闘でどうにか王都圏への侵入を防いでいるという状態だ。
特に武器の精度が素晴らしく、剣や弓の殺傷能力が凄まじい。

王都の病院もたちまち負傷兵で溢れかえる。
ジゼルはアリスやエドワードとともに病院を慰問して負傷兵の看護にあたったり、
得意の裁縫を活かして負傷兵たちの肌着を縫ったり、
不足しているガーゼを作っていた。
優しかったウィリアムも最近はずっと厳しい表情をしているし、
アリスも城を不在がちなウィリアムに代わって大臣たちと難しい顔で話し込んでいる。

「ジジ。僕たち負けちゃうのかな。父上も母上も最近ずっと怖い顔してる。」
「大丈夫。ウィステリアの兵隊さんは強いから。こわい敵はみんな追い返してくれるわ。」
不安におびえるエドワードをギュッと抱き締めてジゼルは祈るのだった。
(神よ、我らをお守りください。)
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