甘すぎる小悪魔に見つかったなら。


2人目の,表情豊かな後輩が私を指す。

キラキラとしたその表情に,私は虚を突かれた。



「あー! あれは笑ったわ。あの人か! ってか何? 十和,女子は名前の呼び捨て禁止ってやつ,やめたん? 先輩も例外無くじゃなかった?」



なにそれ……?



「女子からの下の呼び捨ては慣れないとかって,呼び捨てしないからしないでとまで言ってたのに」




あらすじのように話していく1人目に,私は驚くことしか出来ない。

それって……要するに名前で呼ばれるのが嫌だってことだよね……?

要点だけまとめると,そう言うことのように感じる。

そこでようやく青みを帯びた私の顔。

私,初対面からバリバリ呼び捨てなんだけど……

え,嫌だった?

いいって言ったのは,押しが強かったから?

でも,十和も普通に呼び捨てだった……よね?

私がいい? って聞いたとき,知らないうちに圧でもかけてた?!



「あ,ああああの,十和? 嫌ならそれで別に良かったんだけ……」

玲央也(れおや)余計なこと言わないで。あゆ……せんぱいに十和って呼んでって言ったのは僕の方」


……や,言われてないけど?

いつの間にか変わっている過去に,私はぎょっとする。

十和の優しさ? なのかな。

ってか何で言い直して……

十和はどこか口を滑らしたって顔になっていた。

< 28 / 65 >

この作品をシェア

pagetop