甘すぎる小悪魔に見つかったなら。
2人目の,表情豊かな後輩が私を指す。
キラキラとしたその表情に,私は虚を突かれた。
「あー! あれは笑ったわ。あの人か! ってか何? 十和,女子は名前の呼び捨て禁止ってやつ,やめたん? 先輩も例外無くじゃなかった?」
なにそれ……?
「女子からの下の呼び捨ては慣れないとかって,呼び捨てしないからしないでとまで言ってたのに」
あらすじのように話していく1人目に,私は驚くことしか出来ない。
それって……要するに名前で呼ばれるのが嫌だってことだよね……?
要点だけまとめると,そう言うことのように感じる。
そこでようやく青みを帯びた私の顔。
私,初対面からバリバリ呼び捨てなんだけど……
え,嫌だった?
いいって言ったのは,押しが強かったから?
でも,十和も普通に呼び捨てだった……よね?
私がいい? って聞いたとき,知らないうちに圧でもかけてた?!
「あ,ああああの,十和? 嫌ならそれで別に良かったんだけ……」
「玲央也余計なこと言わないで。あゆ……せんぱいに十和って呼んでって言ったのは僕の方」
……や,言われてないけど?
いつの間にか変わっている過去に,私はぎょっとする。
十和の優しさ? なのかな。
ってか何で言い直して……
十和はどこか口を滑らしたって顔になっていた。