甘すぎる小悪魔に見つかったなら。



「誰でもじゃないですぅ,ね,いこ! 最初の1時間くらいなら奢るから」



ぴきっと真っ直ぐ脳に届いたその言葉。

会ったばかり&後輩に奢られる?

躊躇しつつも,揺れたのは内緒で。

どう答えようかと考えているうちに



「いや初対面の後輩(男)からカラオケとか,こえぇだろ。モテんだからその辺の女子捕まえろよいけるだろお前のキャラなら」



玲央也くんが勝手に断ってしまった。

意外と常識人な玲央也くんに,失礼ながら吹き出す私。

人見知り激しい方だし,いつもはただ困って断ったと思う。

でも……

ぱっともう一度見てみても無害感たっぷりの理苑くんに,思わず肩をほっと落とした。

やっぱり,まぁいっか。



「ちゃんと奢ってよ?」

「えっ」



理苑くんの目がかがやく。



「あと,私1人で7時間とか平気でいっちゃうけど……ついてこれる?」



そして,とうとう前のめりに。



「えぇー……もうちょい自衛……えー,警戒心んん」

「そうだよゆあ,ぜったいだめ」


行くのかと引き気味の玲央也くんがおかしくてたまらない。

十和まで……
< 31 / 65 >

この作品をシェア

pagetop