甘すぎる小悪魔に見つかったなら。


「人数いた方がいいじゃん! いこ! 今日もどっかいこうよー!」



理苑くんが乱入する。



「だめ」

「なんでー?!」



きっぱりと断定的な十和に,理苑くんは疑問をぶつけて抗議した。



「ね」



ふわり。

ゆったりとした,気だるい雰囲気。

突然話をふられて,私は少しあわあわとごたつく。

頑張って頭を回した結果,小さな約束にたどり着いた。

……何するかなんて特に予定は無かったくせに。

ここでそれを持ち出す意味が分からない。

暇潰しなら,きっと皆の方が楽しいはずなのに。

色々思うところはあるものの,昨日1度断った手前,中々言い出せず。

興味ありげな2つの双眼に見つめられ。

特に何もないことを説明することは難しく,また曖昧に笑った。

十和のことは,いつも人に誤魔化してばかりな気がする。



「ないしょ。またあとでね,あゆ」



2人を押しながら出ていく十和。

そこで丁度,鐘がなった。

よく見てるなぁ。

そんな上機嫌な十和と2人を,私は無言で見送った。
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