甘すぎる小悪魔に見つかったなら。


ぱっとみると,私より大分小柄な,後輩の女の子だった。

私とすれ違おうとしていたその子はくらりと傾いて,自力で踏みとどまる。

一先ず,よ,良かった……?

でも,い,いま……結構思い切り……



「だっ大丈夫?! ごめんね,よく見てなくて……」



声をかけると,カバンの持ち手をぎゅっと握ったその子がぱちくりと顔をあげた。

ショートの髪に囲まれたその顔はとても可愛くて,不覚にもドキリとする。



「あ……大丈夫です。こちらこそごめんなさ。あ」



変に言葉を止めて,視線を釘付けにした女の子。

視線の先を辿ると,十和だと分かった。

知り合い……?

と,思うも改める。

格好いいからか。

もうその気持ちも,ちょっとは理解できるよ。

……可愛い。

こんなところまで効果あるんだと,私はついふふと溢した。
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