スキがない総長の大胆な溺愛
◇
ガチャ
「明里、帰ったよ。寝てるの?」
「……寝てる」
「起きてるね。顔色も良さそう」
学校が終わったらしい蒼羽が、家に帰り、真っすぐ私の部屋に来た。
「今日はどうしたの?急に早退したからビックリしたよ」
と言いながら、いつもの笑みを浮かべている。
「…その笑顔…嫌」
「はは、いきなりだね」
蒼羽は持っていた自分の荷物を床に置く。
そして布団に丸まっている私の横にやって来た。
「話したいことがあるんじゃないの?」
「ある。けど、話せない」
「どんな事でも聞くよ」
こんなにも寄り添ってくれる蒼羽…
かなり珍しい…。
けど、さすがに「あなたに復讐する件で優利とケンカした」なんて本人に言えない。
だから、オブラートに包んで話す。
「優利とケンカした」
「優利?」