スキがない総長の大胆な溺愛









ガチャ



「明里、帰ったよ。寝てるの?」

「……寝てる」

「起きてるね。顔色も良さそう」



学校が終わったらしい蒼羽が、家に帰り、真っすぐ私の部屋に来た。



「今日はどうしたの?急に早退したからビックリしたよ」



と言いながら、いつもの笑みを浮かべている。



「…その笑顔…嫌」

「はは、いきなりだね」



蒼羽は持っていた自分の荷物を床に置く。

そして布団に丸まっている私の横にやって来た。



「話したいことがあるんじゃないの?」

「ある。けど、話せない」

「どんな事でも聞くよ」



こんなにも寄り添ってくれる蒼羽…

かなり珍しい…。


けど、さすがに「あなたに復讐する件で優利とケンカした」なんて本人に言えない。

だから、オブラートに包んで話す。



「優利とケンカした」

「優利?」
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