スキがない総長の大胆な溺愛
「私のす……友達」



思わず「好きな人」って言っちゃいそうになるのを、何とか止める。

蒼羽に気づかれたかな?と冷や汗が流れたけど…

「そっか」と言って、蒼羽は取り付く島もないようだった。



「話を聞いてくれるんじゃないの…?」

「根掘り葉掘り聞いてほしいなら、そうするけど?」



「……」

「明里って分かりやすいよね」



はは、と笑う蒼羽。

そういう蒼羽は本当に分かりにくいよね、と。

心の中で毒づいた。



その後、10分くらい経ったのかな。



部屋の中はシンとしていた。

まるで二人の存在なんてないような…そんな静寂が、部屋の中を漂っている。



「(蒼羽って、まだ近くにいるよね?)」



あまりに存在感がないから、不思議に思って周りを見る。

すると蒼羽は――そこにいた。
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