スキがない総長の大胆な溺愛
「これって何!?」



怒ったような。

そして今にも泣きそうな私の顔を見て。

最初は黙っていた蒼羽も、観念したように口を開く。



「俺は…天気を曇らせたくないだけなんだ」



そう言って、私を見た蒼羽。

その周りに群がる暴走族。

「天気…?」と聞き返した私の言葉は、もう蒼羽の耳には届かなかった。



「死ね夜野ぉぉおおー!!」
「今日こそ倒すからな!!」



倒しても倒しても…蒼羽に向かって来る人数は後を絶たない。

優利が隣で「兄貴のせいだ」と、悔しそうに呟いた。



「俺が夜野と決闘する事を悟って…ずっと俺を尾行していたんだ、きっと」
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